川口元郷 内科 循環器内科 川口領家循環器内科クリニック

川口領家循環器内科クリニック

048-242-5462

〒332-0004 埼玉県川口市領家1-24-4 ロードビルディング2F

院長のひとこと

Director's column

心臓弁膜症

心臓の内部には血液の逆流を防止すことを目的とした4つの逆流防止弁があります。それぞれの弁が解放、閉鎖を繰返すことにより血液を体全体に送りだし循環させます。
心臓の左右には4つの部屋があり、それぞれの間に4つの弁があります。弁には名前が付いていて、左室側にあるのが大動脈弁と僧帽弁、右室側にあるのが肺動脈弁と三尖弁です。

弁は本来、柔らかいものですが、加齢変化やリウマチなどの疾患により硬くなり、弁の開く面積自体が狭くなることがあります。この状態を狭窄症と呼びます。逆に閉鎖が悪くなり、血液が逆流してしまう状態を閉鎖不全症と言います。
また、狭窄と閉鎖不全が共に起こることもあります。弁の機能が悪化すると、心臓内で血流が滞り心拡大を生じ、さらに血液の循環が悪くなることにより心不全や心房細動などの不整脈を惹起します。
心不全になるとむくみや息切れ、咳や痰の増加などの症状を呈し、重篤な状態では呼吸困難となり入院加療が必要となる場合があります。
心房細動では、前回お話ししたように脳梗塞の危険が生じます。

弁膜症で重要となるのは左心系にある大動脈弁と僧帽弁です。これらの弁膜症が悪化し、心不全症状が出現した場合には治療が必要となります。
まずは内服薬で症状の改善に臨みますが、改善がなければ手術等の処置が必要となります。
手術は、基本的には胸を開けて行う開胸手術となりますが、現在では、カテーテルを用いた手術も可能となり、大動脈弁狭窄症に対するTAVI(タビ)という術式では、私の診ていた90歳を超える超高齢者でも安全に手術が終了して生活に復帰しました。

弁膜症は検診等において心雑音聴取で発見されることが多く、また息切れやむくみなどの症状で発見されることもあります。
日頃から、検診を受けて体調管理に気をつけたいものです。

2019.08.07
pagetop
電話番号:048-242-5462