川口元郷 内科 循環器内科 川口領家循環器内科クリニック

川口領家循環器内科クリニック

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院長のひとこと

Director's column

心臓外科手術の進歩

心臓外科手術の進歩には素晴らしいものがあります。近年ではロボット手術も行われ、遠隔での心臓手術も夢ではなさそうです。

心臓外科手術では、心臓に到達するために胸骨という胸板の骨を縦に切っていました。手術のためにわざと骨折させるようなことなので、術後に修復しても数ヶ月ほどは痛みや違和感が持続することがありました。しかし最近では、心臓の疾患にもよりますが胸骨を切ることなく、数カ所の小切開で手術ができるようになりました。これにより術後の痛みの軽減や、手術創の治りの早さから入院日数も短くなっています。

狭心症などに対する、心臓バイパス手術では、心臓を停止させ人工心肺という体外循環装置を用いてバイパス手術を行っていましたが、近年では心臓を止めずに拍動させたままでバイパス手術が行われています。人工心肺という体外循環装置を使わないため心臓にとっても体にとっても負担の少ない手術となっています。

心臓弁膜症の手術もカテーテルを用いた手術が行われるようになりました。カテーテル手術も人工心肺を使用しないので体に優しい手術といえます。カテーテルを使用した大動脈弁の置換手術(TAVI)は、大病院でなくとも行えるようになってきました。負担が少ないことから、今まで手術を躊躇していた高齢者でも比較的安全にできることが大きなメリットです。その他、僧帽弁手術やシャント疾患といわれる心房中隔欠損症や心室中隔欠損症などでもカテーテルによる治療が行われる時代になっています。

また、大動脈瘤など太い動脈に生じる疾患にもカテーテルを用いたステント挿入術が用いられるようになりました。

一昔前、狭心症や心筋梗塞に対し初めてカテーテルによるバルーン治療が行われ始めた時、将来的には心臓外科医は不要になるのではないかといわれた時代もありました。しかし、それは杞憂に終わりました。これだけ技術や手術器具が進歩した現在でも、心臓外科医は外科の第一線で活躍しています。将来は、患者さんが地球上のどこにいても、心臓外科医が超遠隔操作する心臓ロボット手術で治療をすることができるようになるでしょう。

当院は心臓外科手術を行う高次機能病院とも提携しております。また、心臓外科手術後の患者さんの診療にも対応しております。

2021.02.01
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