川口元郷 内科 循環器内科 川口領家循環器内科クリニック

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院長のひとこと

Director's column

肺の良性腫瘍

今回は、肺腫瘍の中でも悪性ではない良性の腫瘍についてお話ししたいと思います。

肺の腫瘍には悪性の癌もあれば良性の腫瘍もあります。まずは『良性の腫瘍』とは一体何が良性で、癌と何が違うかを説明したいと思います。良性とされる腫瘍は、周りの組織や臓器を破壊せず、発育速度もゆっくりであり、他の臓器に飛んで(転移)行かない腫瘍です。つまり、おとなしくし、周りに危害を加えない腫瘍といえるでしょう。見た目も丸っこくてゴツゴツしていないものがほとんどです。悪性の癌においては破壊的および急速に拡大し、転移も起こし症状も重篤で死に至ることもあります。良性腫瘍でも、徐々に大きくなることはあり周囲の器官や臓器を圧迫すると症状も現れます。

肺の良性腫瘍の頻度は低く、種類は多岐にわたり、気管内や肺内に発生します。症状はほとんどありませんが、気管内に発生する繊維腫や軟骨腫、脂肪腫などでは大きくなると咳や胸痛などの症状を生じることがあります。

肺良性腫瘍の大部分は過誤腫という腫瘍が占め肺内に発生する代表です。その他に血管腫や、神経から発生する神経原性腫瘍、平滑筋腫などもあります。腫瘍ではありませんが、血管の異常で肺動静脈瘻などは鑑別診断を要する陰影でもあります。

診断には胸部X線が有効です。ただし、癌との判別ができないことも多いので胸部X線で腫瘤影を認めたなら、胸部CTなど詳細な検査に進みます。良性腫瘍と診断がついても、治療の基本は手術による摘出となります。胸腔鏡を用いた低侵襲手術が主流となっています。

次回は肺がんに関してお話ししたいと思います。

2020.07.20
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